SS-RUSH PACK : なぜ、僕は「箱」を背負うのをやめたのか?

【違和感】

僕がフードデリバリーの配達を始めたのはパンデミックが始まる少し前。

今も走り続けているけれど、それはもう「稼ぐため」だけじゃない。自転車に乗るための最高の理由の一つになっている。

だが、配達を始めてすぐに、ある「違和感」に気が付いた。

自転車は自分で選んで組み上げた好きな物に乗っているはずなのに、なぜか自由で開放された気持ちにならなかった。

原因は背中のバッグにあった。

僕らの選択肢はあまりにも限られていた。そして、そのどれもがタフさや、遊び心に欠けているように思えた。

【決意】

その時、僕の脳裏に蘇ったのは、メッセンジャーとして走っていた頃の記憶。

彼らは、既製品に満足せず、自分たちの手で、自分たちのためのバッグを作り始めた。

その精神こそ、僕の自転車人生の原点だ。

答えは、僕の血の中にすでにあった。

「無いなら、創ればいい」

フードデリバリーのための全く新しいバッグを。

そしてそれは、「ハンドメイド」で作ることも初めから決めていた。なぜなら自転車を通じて、僕の周りにはいつも、誰かの手から生まれた素晴らしい作品があったから。

かくして、一台の「おもちゃのようなミシン」からSLOWSUUとしての最初の、そして最大の挑戦が始まった。

【創造の苦しみ】

ただ作るだけでは意味がない。

街で見かけた人が思わず振り返るような、「あのバッグは何だ!?」と、頭にハテナが浮かぶようなものでなければ。

何より、僕自身が「これを背負うだけで、配達がもっと楽しくなる」と、心から思えるものでなければ。

しかし、理想と現実の壁は高かった。

デザインが機能性を殺してしまう。フードデリバリー特有の動きや使い方に対応できない。ミシンが一台あれば何でも作れると勘違いしていた僕は、物理的に「作れない」という問題に何度もぶち当たった。

正直、暗礁に乗り上げ何度も諦めかけた。

【誕生】

それでも試行錯誤を繰り返し、失敗を重ね、僕自身の未熟な技量の中で実現可能な「最適解」を探し続けた。

そして、ついに誕生したのが、この「SS-RUSH PACK」だ。

【マニフェスト】

「いつもの配達をもっと楽しく、もっと自由に」

SS-RUSH PACKはこれからのフードデリバリーの新定番になることを目指して、今日もこの街のどこかを走り抜けている。

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SLOWSUU始まりの物語